皆様大変お待たせ致しました。「このライトノベルがすごい!のに新刊が出ない!2025」の集計が終了しましたので、結果発表をさせていただきます。今回の企画では、84人もの方から、合計221票もの投票をしていただきました。参加していただいたすべての方に改めて感謝を申し上げます。
投票概要
私のTwitterアカウント( https://x.com/kaz_lightnovel )にて、googleフォームのリンクを貼る形で投票を行いました。条件は以下の通り。
・ライトノベルであること(定義不問)
・2020/1/1以降に始まったシリーズであること。ただし、2020年1月刊であるならば、2019年12月に刊行されていても投票して良い。
・文庫作品は2023/7/1、大判作品は2023/4/1より前に最新刊が発売されていること。
・スピンオフについては、作者とレーベルが同じである作品は本編と同一シリーズとして扱い、そうでなければ別シリーズとする。
・商業小説以外の媒体での連載は無視する。
・打ち切りかどうかの判定は原則として個人の判断とする。公式側から完結と明記されているにもかかわらず投票する行為は禁止としたが、投票作品数が多いため、こちらで読んで確認することはせず、一律で投票者の良心に任せる。
・巻数の上限は設けない。
・一人の投票作品数に上限は設けない。ただし、一人で同一作品に複数回投票する行為は禁止とする。
二つ目、三つ目の条件については、打ち切りという極めて幅広い概念を扱いながらある程度有意な比較をするためにはある程度範囲を絞る必要があると考えて設けました。文庫は18ヶ月、大判は21ヶ月という条件はそれぞれ計算した平均刊行間隔の三倍の値を基準とし、そこから三年半の期間を対象としました。
この旨を記載したgoogleフォームへのリンクを繰り返しTwitterに貼り、2024/12/27から2025/1/13にかけて、221票の投票を得ました。このうち22票が上記の条件を満たさない死票、9票が続刊の決定した作品への投票であったため、有効票は190票となりました。1票以上の得票があった作品は126作品で、うち4作品が続刊決定のため無効。3票以上の得票があった作品は14作品でした。では、結果発表に移ります。
結果発表
第一位:『僕らは『読み』を間違える』/スニーカー文庫
著者:水鏡月聖 イラスト:ぽりごん。
得票数:14
公式サイト
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第27回スニーカー大賞銀賞受賞作。2位にダブルスコアをつける圧倒的な票数を獲得しました。以降のスニーカー大賞の方針転換の契機となった(かもしれない)第27回スニーカー大賞受賞作は、大賞作品を除いていずれも2巻以降の音沙汰がない状況ですが、いずれも評価が高い作品です。この作品と『腕ヲ失クシタ璃々栖』は特に評価が高く、この投票でも票が入りました。他作品と比べて圧倒的に票数が多い背景には作者にRTされたことがありますが、それがなくとも多くの票を獲得したことは間違いない作品です。
投票者のコメント
「これは私が最も好きな作品で、私の好きな推理要素と学園ラブコメが見事に融合しています。女性キャラクターも非常に魅力的です!」 -hhhhax
「第一巻を読んで、私は異常に苛立ちました。心の中には「これは見せびらかしているのか?」や「こんな資料を読むなら自分でネットで調べるわ」といった思いが渦巻いていました。作者が書いた一巻一章は、間違いなく失敗作です。核心となる内容は決してそうではないのに、読書会の議事録のようなものを通して、ほとんどの読者がその部分で振り落とされてしまいました。しかし、第一章を過ぎると、本当の物語が始まります。作品本来の設定や文体、感情の描写はすべて最高です。時間軸が狂う手法を使って、前の章の伏線を回収していく——これは“重厚”な文学作品でよく使われる手法で、実際に驚嘆させられました。本作はまた、複雑な感情のネットワークを織り成していくので、予想外に面白くなっています。さらに重要なのは、作者が見せたかったことがまさにそれで、作者自身が読書をし、作中の登場人物も読書を好むという点です。この点のメリットは次の二つです。一つは、作者がクラシック文学を参考にして物語を構築しているため、ストーリーや感情表現自体が陳腐にならず、独自性を持っていること。もう一つは、登場人物が本を読んだり、本について語ったりしているので、その言動が子供っぽい高校生の“家族ごっこ”のように見えないことです。また、高校時代の青春を成熟した視点で考えることができるのも私は好きです。読書していると、まるで自分の満たされなかった青春が補われているような気がして、少し笑ってしまいます。」 -海月
第二位:『天使は炭酸しか飲まない』/電撃文庫
著者:丸深まろやか イラスト:Nagu
得票数:7
公式サイト
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電撃文庫の傑作学園青春もの。既刊は4巻ですが、特に4巻の発売にあたっては口コミがだいぶ大きく影響したように見え、まだまだ電撃文庫にはそれができるだけの体力が残っているのだと感じた記憶があります。とはいえそれで読者不足が解決するかといえばそんなことはなく、ライトノベルの販促の難しさを実感しました。一度打ち切りライン瀬戸際になった作品の続刊を出したところで読者が増えることはなく、とはいえその程度の売り上げの作品に広告費を出して博打を打つのは難しいという現状は構造上どうしようもないものであり、続刊の決定がブランドや読者の信頼をいくらで買うかと言う駆け引きになってしまっていることは読者側も自覚する必要があるのでしょう。
投票者のコメント
「企画案が上がった瞬間に脳裏をよぎった作品。百パーこれ。打ち切られてないことを願いたい。」 -サウナ探偵
「キャラが魅力的な上に、舞台となる大津市膳所についても書かれているので、聖地巡礼に行ってみたくなる」- 匿名希望
第三位:『ひだまりで彼女はたまに笑う。』/電撃文庫
著者:高橋徹 イラスト:椎名くろ
得票数:4
公式サイト
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これまた強火のファンが多い電撃文庫のラブコメ。この投票、電撃文庫が強い。3票以上を獲得した14作品のうち、6作品が電撃文庫。得票した作品数こそファンタジア文庫に1作品足りない28作品となりましたが、得票数は55票と全体の25%を超え圧倒的1位となりました。今回の投票条件ではファンタジア文庫に次ぐ119作品が該当し、その上で男性文庫全体以上のシリーズ平均冊数を維持する強豪レーベルですが、それだけではこの得票数は説明がつかず、やはり質の高い作品が数多く刊行されている証左であると言えます。レーベルが作品の質のアベレージをどのレベルで担保したいかどうかにも関わってくることろであり、この辺りがこの投票で電撃文庫が強くなる理由となっているのでしょう。
投票者のコメント
「青春の初々しさ,焦れったさがド直球に描かれているThe青春というような作品。出会い,関係の進展,そして恋に落ちる展開がとてもきれいで美しく,いつまでも見ていられる,応援したくなる最高のラブコメ。」 - コーリ
第三位:『運命の人は、嫁の妹でした。』/電撃文庫
著者:逢縁奇演 イラスト:ちひろ綺華
得票数:4
公式サイト
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打ち切りの発表がこのラノと重なり、新作8位という好成績だったことも相まって物議を醸した作品。所謂ラノベ界隈の中ではかなり話題になりましたが、一般層にリーチすることができずに打ち切りとなったようです。直接的な原因は宣伝量の不足であり、同著者の次作である『こちら、終末停滞委員会。』は編集部による強力な宣伝をバックに良好なスタートダッシュを切り、現在すでに4巻の発売が決定されています。宣伝量により顕著に売り上げに差が出てしまうのはなかなか不健全だと思いますが、では作品数とリソースを絞ればどうにかなるものでもないと言うのが今のライトノベルの抱える問題であると言えるでしょう。
投票者のコメント
「現代のラブコメ部分も良いが、ガジェットの奔流を際限なく叩きつけてくる前世の描写が凄い!前世の一つ一つが一本のラノベとして読みたくなるほど。パラレルワールドを股にかける三角関係の行方が気になり過ぎる!」- BoB‐King‐Joe
第3位(参考):『楽園ノイズ』/電撃文庫
著者:杉井光 イラスト:春夏冬ゆう
得票数:4
公式サイト
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先日、めでたく続刊の発売が6月に決定されたため、参考記録となります。
杉井光の十八番である青春音楽小説の最新作。今回投票された作品の中で最も巻数が多く、また一巻・最新刊ともに条件ギリギリの作品です。同時に新作の発売も決定していて、個人的にも大変楽しみにしています。最近はライトノベルの外で評価されることが多かったため、戻ってきてくれて良かった。
投票者のコメント
「三人(3巻から四人)のヒロインと主人公がバンドを組む、音楽とラブコメを組み合わせた作品。音楽好きはもちろんのこと全く知らない人でも楽しめる。ラブコメとしても一級品であり、軽快な語り口でとても読みやすい。」- 陥穽
著者:烏丸英 イラスト:みこフライ
得票数:3
公式サイト
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現在のVTuberラノベブームに少々先んじて出版された本作。ファミ通文庫といえば打ち切りのイメージが強いレーベルですが、実際今回の範囲での平均シリーズ冊数は1.7冊と女性向けレーベル並に低いです。作品数が少ない上に一巻での打ち切りが非常に多いのが特徴と言えます。ファミ通文庫(大判)の方は結構好調に見えるだけに、そちらの利益である程度賄えないのかなぁと考えたりもしますが。本当に良作揃いの良いレーベルなのに……。
投票者のコメント
「少しだけWebで続きを読んだのですが、気風の良い主人公がどんどん同箱Vの問題を解決してどんどんヒロインとのカプ推し勢と同性のガチ恋リスナーを増やしていく展開めちゃくちゃ面白かったので書籍で2巻以降が読みたい。」- うらら
第5位:『あおとさくら』/GA文庫
著者:伊尾徹 イラスト:椎名くろ
得票数:3
公式サイト
ga.sbcr.jp
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第14回GA文庫大賞金賞の青春ラブコメ。GA文庫は、今回の投票では非KADOKAWAレーベルの中で唯一作品数・投票数がそれぞれ二桁に乗りました。近年のGA文庫は一巻打ち切りが非常に少ない一方で2巻打ち切りが大変多く、投票条件を満たす72作品のうち56作品が既刊2巻という状態になっています。一方で、慣例的に刊行間隔が長く開くことが多いレーベルでもあり、最近では3年半ぶりに続刊が決定した『どうか俺を放っておいてくれ』や、先日三年半ぶりの新刊が出た『泥酔彼女』など、打ち切りかと思われた作品が(主にコミカライズの売り上げを理由として)続刊が出ることも多いため、特にコミカライズが現在も続いている作品についてはまだまだ注視が必要なレーベルでもあります。
投票者からのコメント
「キリのいいところで終わってくれたので満足なんですけども、2巻序盤でなぜか主人公のお父さんが出てきたので、主人公周りの問題に少し消化不良感があります……」 - 緑黄色BEAVER
第5位:『ステラ・ステップ』/MF文庫J
著者:林星悟 イラスト:餡こたく
得票数:3
公式サイト
mfbunkoj.jp
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入間人間が「作者と私を信じろ」って帯コメに書くタイプの百合。宣伝量的にも流れてくる評価的にももう少し続きそうだと予想していたのですが、2巻以降音沙汰がありません。というかこの作品もう範囲内なんですね。僕の感覚では去年くらいだと思ってたので、もう一年半どころか二年も経つことに驚きを禁じ得ません。情報が出なくなったライトノベルに対する認識がこんなものであるからこそこの投票を行ったとも言えるので、こうして存在を再び意識した時点でこの企画をやった意義もあるというものです。
投票者からのコメント:なし
第5位:『顔さえよければいい教室』/ファンタジア文庫
著者:三河ごーすと イラスト:necomi
得票数:3
公式サイト
fantasiabunko.jp
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ここから3作品は、今回の投票で最多作品数の29作品を獲得したファンタジア文庫から。そもそも条件に該当する作品が137作品と圧倒的に多いうえに、うち95作品が既刊一巻、29作品が既刊2巻となっています。一方で一度売れると巻数が伸びやすく刊行間隔も早い傾向にあり、中立的な言い方をすれば淘汰を市場に任せているレーベルです(とは言え流石に一巻打ち切りが多すぎるとは思いますが……)。そういうレーベルだからこそ作品数が多くなりがちで、かつ票が分散するのでしょう。
投票者のコメント
「圧倒的な才能を持つ天才達の芸能バトルである反面、その動画をどうやって魅せていくかという部分が大きな意味を持ってくるのが現代風で面白かった。つい最近打ち切り宣言を見かけたのですがやはり続きが読みたい。」- うらら
第5位:『俺の召喚獣、死んでる』ファンタジア文庫
著者:楽山 イラスト:深遊
得票数:3
公式サイト
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第6回カクヨムコン異世界ファンタジー部門特別賞受賞作。カクヨムコンからこうもファンタジア文庫らしい、というより近年のファンタジア大賞らしい王道・テンプレを一捻りしてキャッチーにした作品が出てくるのも面白いですね。
第6回カクヨムコンはファンタジア文庫がなんと11作品も取った回で、(背景にはweb発ラブコメに大きく参入したい編集部の意向があり、それまでと比べてラブコメ部門の比率が増えた。)結果としてあまり上手く行かなかった回でもあり、良質な作品がたくさん捨て置かれる状況になりました。読者の確保の難しさを実感させられます。
投票者のコメント
「キャラの魅力は文句無し、物語展開は終始気持ち良く熱く、タイトルもインパクトありと、これだけ揃っていればファンタジーラノベの看板になってもおかしくないと思います。1巻止まりなのが信じられない!」- かなた
第5位:『推しが俺を好きかもしれない』/ファンタジア文庫
著者:川田戯曲 イラスト:館田ダン
得票数:3
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川田戯曲先生のファンタジア文庫2作目。川田戯曲先生は続刊になかなか恵まれないながらもラノベ界隈での評価が高い作家で、今回の投票でもファンタジア文庫1作目の『嘘嘘嘘、でも愛してる』、3作目の『ラノベも俺も好きなギャル』(2023/7/20発売のためギリギリ死票)ともに2票を獲得するなど人気の高さが伺えます。私も好き。作者で票が固まるってのはすごいことですよね。今回だとしめさば先生が『きみは本当に僕の天使なのか』『イレギュラー・ハウンド』、そしてつい最近続刊の情報が出た『君は僕の後悔』の三作品が得票しています。ただ続刊が出てない以上手放しに褒めることもできないのがこの企画の難しいところですが。
投票者のコメント
「陰キャでオタクの主人公と主人公の推しである人気ボーカルのヒロインとの両片思いラブコメ。推す推されるという難しい距離間やヒロインのめんどくささ,可愛さが青春の初々しさに拍車をかけていて個人的に一番続刊が来てほしい作品。」- コーリ
第5位:『娘のままじゃ、お嫁さんになれない!』/電撃文庫
著者:なかひろ イラスト:涼香
得票数:3
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これまた電撃文庫のラブコメ。今回の投票、ラブコメが強いですね。まあキャラや関係性で駆動するラブコメは比較的早くから続きが読みたい・もっと読みたいと言う感情を励起しがちと言うのは割とわかる感覚ですし、そもそもこの時期の文庫ラノベにおいてラブコメが作品数的に優勢であると言う可能性もあります。あるいは最初から告白と言うゴールが読者全員に強く共有されているのも原因の一つでしょうか。
投票者からのコメント
「現代を舞台にしたラブコメで本作ほど生真面目なものはそうないのではないか。世知辛い現実の中でどうにか生き延びているわたしたちと同じように、物語の中のキャラクターたちも、リアルな世界を生きているのだ」- trim
第5位:『プリンセス・ギャンビット』/電撃文庫
著者:久我悠真 イラスト:スコッティ
得票数:3
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電撃文庫の傑作頭脳戦。そろそろ読まないで語れることも尽きてきたので、この作品だけ内容を褒めます。ヒロインが超かわいくてですね。自然体の天真爛漫から毒舌が飛び出すの本当に可愛い。カプ厨としてはやはり主人公にだけ遠慮がないのが良いですよね。いやそもそも「味方」が主人公しかいない状況で織り成される関係性が良い。能力的にも二人の相性とバランスが良くて満足ですよ。なんだかんだで大手レーベルは良い作品なら2巻までは出る印象がある中、たまにこのように1巻以降音沙汰のない作品があると強く印象に残ります。みんな読もう!!
投票者のコメント
「何も持ちえない最底辺の女王候補とスパイが資源、人望といった持ち合わせている他の候補たちを騙し、誘導していく様は圧巻!」- マルク
第5位(参考):『俺にはこの暗がりが心地よかった』/GAノベル
著者:星崎崑 イラスト:Niθ
得票数:3
公式サイト
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これまた、先日5巻が電子専売にて発売されたため参考記録となります。
web小説において後に流行を作っていく「配信もの」のマイルストーンの一つ。GA編集部は作品の宣伝を編集者単位で行うためGAノベルは大判レーベルとしては比較的宣伝量の多いレーベルですが、その中でもこの作品は特に発売前に色々やられていた印象があります(「GAノベルのGAって結局なんなの?」の画像とか)。最近は途中から電子専売となる作品も増えてきましたが、コストカットの手法としては汎用性も高く、前述した「読者の信用とブランドにかけるコスト」というゲームを大きく変える一手であるように感じます。一方で多用しすぎると紙から電子に読者が流れ、より電子専売が増える危うい正のフィードバックを持っているようにも思います。なんでも続刊出せばいいと言うわけでもないですからね。
この作品についてはコミカライズも完結と相なったためこれ以上の続刊は難しそうにも感じますが、これくらいのスケールの作品なら何を契機にバズるかわからない世の中でもあるため、はてさてどうなることか。
投票者のコメント
「魔王戦が熱かったんです。母と電話するシーンも悲しかったんです。リフレイアもジャンヌも可愛いんです。ナナミがタフなんです。書籍でもWEB版でも続きが読みたいです。」 - モンペ
二票以下のコメント抜粋
ここからは、得票数が2巻以下の作品のコメントのうち、私が独断と偏見にて選んだ良いコメントをいくつか紹介させていただきます。
センパイ、自宅警備員の雇用はいかがですか?
「一見設定はアレですが、詐欺です。健全でセンス溢れた群像劇です。WEB完結済みですが、書籍から入ったので美麗なイラストと共にハッピーエンドを迎えたいです。投票のために検索してみれば最近コミカライズが始まったようですが、これはまだ希望があるってこと?」 - 匿名希望
蒼と壊羽の楽園少女
「著者一流のゆったりとした語りの文体に得も言われぬ魅力がある。デビュー作も然り、天城ケイの作品は正しく「物『語』」であるのだなと思わされる。戯曲もしくは映画めいた演出も美しい、少女ふたりの旅物語である」- trim
探偵くんと鋭い山田さん
「ミステリー版「ふたきれ」とでも言える双子のホームズと実家が探偵業のワトソンの、日常の謎ときと淡い恋のさや当て。まさにこれからってところで止まっている。」 - ぼうなす
美少女とぶらり旅
「青季ふゆ先生の作品はホントに読みやすい。文章が上手いから読みやすい。カクヨムから読んでて好きな作品だったから、もっと売れて続刊出て欲しかった」 - ルル
得票作品リスト
新刊が決定した作品以外の死票を除いた199票について、以下のgoogleドキュメントで公開しています。よければご覧ください。
docs.google.com
今回の結果について軽く分析を入れてみます。まずは今回5作品以上が得票したレーベルの得票作品数、得票数、発売日に関する条件を満たす作品数を並べた票が下になります。
全体における得票作品の割合で考えると、最も高いMFと次点の電撃がその他のレーベルを大きく離していることがわかります。MF文庫Jの特徴は高い得票作品割合と裏腹に投票が分散したことで、三票を獲得した『ステラ・ステップ』、二票を獲得した『殺したガールと他殺志願者』『戦鬼と戦姫の聖災戦争』『僕らの春は稲妻のように』のほかは全て一票となっています。同じように票数が分散したレーベルにはスニーカー文庫(一位の「よみえる」以外全て一票)があります。一方、電撃とファンタジアは票が集中する傾向にあり、電撃文庫は上位に6作品が入り、それだけで25票を獲得しているため、それを除くと23作品32票となり、同様にファンタジア文庫は25作品34票となります。2票を獲得した作品は27作品なので、この2レーベルだけで1/3ずつを独占していることになり、大変特異的な事象と言えるでしょう。
終わりに
つい先日、『彼女でもない女の子が深夜二時に炒飯作りにくる話』の打ち切りが公表されました。個人的には一巻でしっかりまとまっていると感じ、またTwitterを見ていた感じ結構好評だったので、てっきり単巻なんだと思っていたら、普通に打ち切りだったらしいです。面白かったのに。というかいっそ単巻ということにしといて欲しかった。
世の中に一巻打ち切りほど虚しいものはありません。一巻を買う動機に内容の良さは(試し読みで読んだ人以外は)含まれないため、一巻で打ち切られた作品は質で勝負する土俵にすら立てていないことになります。口コミで〜とか言ってられるのは口コミで広がりやすいタイプの作品だけだし、そもそも口コミで広まるにもある程度の読者スケールが必要で、中にはそれすら満たせていないような作品もあります。ここら辺はもう読者にはどうしようもないものなので作る側にどうにかしてもらうしかないんですが……。ファンタジア文庫とか絶対2巻でないのわかった上で出してる作品あるって。
告知です。「このライトノベルがすごい!のに新刊が出ない!」ですが、わざわざ2025と銘打ったことからも分かるとおり、定例企画とする予定です。「五年前から三年半前」という範囲は変えずに、次回は二年後、2026年末の企画を予定しています。今回のアンケートで「この作品に投票できない」と言う声が結構ありましたので、是非次回もご参加をお願いしたいと思います。最良はそれまでに続刊が出てることですが……。
最後に宣伝をして終わります。この企画に関連して、私の所属するサークル「新月お茶の会」の新刊『月猫通り2187号』にて、同名の企画を開催しています。今回の投票で3位に入った『運命の人は、嫁の妹でした。』を題材にライトノベルの打ち切りについて語り合った読書会や、今回のアンケートの対象となった作品のレビューを載せています。また、定期企画としてラノベ新人賞回顧2024として2024年に発売された全てのライトノベル新人賞発作品のレビューを行っています。とりあえず巻頭言と企画序文は最高のものを用意したので、皆様ぜひお買い求めください。
紙媒体での販売は5/11(日)に東京ビッグサイトで行われる文学フリマ東京40、および5/24(土)~25(日)に東京大学本郷キャンパスで行われる第98回五月祭、およびboothでの通販で行います。またboothにて電子版の頒布も行います。詳しい情報は新月お茶の会公式Twitterをご覧ください。
新月お茶の会公式Twitter
https://x.com/newmoon_tp